「1秒!」で財務諸表を読む方法【経済ニュース編】/小宮一慶

 小宮さんの人気シリーズの最新版で、アベノミクス以降の経済の動きに
ついて、実際の企業の財務諸表にどのように現れてきているか、という
ことについて、アベノミクスの波に乗った企業、逆に悪影響を受けた企業
等々の切り分けをして紹介されています。

 ということなんですが、輸入企業だったらとか輸出企業だったらとか、
ある程度会計をかじった人だったら、どういう風に現れてくるか、という
のは想像のつく範囲だと思いますし、逆に、全然会計の知識が無い人が
この本を読んでもあんまり良くわからない気がします(冒頭に、ごく簡潔
に財務諸表についてまとめて紹介されていますが…)し、イマイチ誰を
ターゲットにして書かれたのか良くわかりません。

 特に、今年になってから出版された小宮さんの本って、企画倒れという
か、アベノミクスに関する本を人気シリーズに乗っかって出しちゃえ!的な
安易な発想が編集側にあるような気がしてしょうがありません。

 むしろ、最終章のアベノミクスに関する小宮さんの所感をじっくりと1冊
の本にして読んでみたいと思うのですが、それじゃ十分な売り上げが見込め
ないんですかね…