エディー・ウォーズ (Sports graphic Number books)
- 作者: 生島淳
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/03/26
- メディア: 単行本
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Numberに連載されていた、2016ラグビーW杯・イングランド大会に向かうラグビー日本代表のインサイドストーリーです。
グループリーグで敗退してしまったものの、それまでの歴史の中で1勝しかできていなかったW杯において、スポーツ史上最大のアップセットとも言われる南アフリカ戦の勝利を含めて、3勝を挙げるという、大きな成果を挙げたエディ・ジャパンですが、チームが崩壊する寸前のせめぎあいを経ての、ギリギリの成果だったということを紹介されています。
このブログでも、エディ・ジャパンに関する本をいくつか紹介してきましたが、エディ・ジョーンズは自分の勝利のビジョンに向かって緻密にピースを埋めていこうとするタイプの監督なんですが、特にその中で重視したのが、日本代表に蔓延する負け犬根性を払拭して、勝者のメンタリティを植え付けようとする「マインドセット」の変換なんですが、選手をギリギリまで罵倒して、それでも立ち上がって向かってくるようなメンタリティを求めていた部分もあったようで、ややもすれば、チームの信頼感が根底から崩れてしまうような揺さぶり方もしていたようです。
そうした中で、エディ・ジョーンズ自身も脳梗塞で一時離脱する程消耗するまでギリギリの取り組みをしていたようで、メディアには、2019日本W杯までエディ・ジャパンが続けば…みたいな通り一遍の期待感はあったようですが、とてもじゃないですが、あと4年この体制を続けることはできなかっただろうな…というほど壮絶な試練を経ての成果だったということがよくわかります。
最近、スポーツでの成功論にキレイごとひけらかそうとする傾向もあるようですが、こういったドロドロした成功論もあるんだ、ということを知っておいてほしいな、という気がします。