諦める力/為末大

 

 

 先日、第2弾である『逃げる自由 〈諦める力2〉』の方を先に紹介してしまったので、慌てて第1弾であるこちらを手に取ってみました。(最近、こんなんばっかりや…)

 結論から言うと、この本メチャメチャ「深い」本です。

 「諦める」なんていうと、元アスリートである為末さん的には、「ネガティブ」のそしりを受けかねないけど…ということを冒頭でも触れられていますが、必ずしもそういうことではない、とおっしゃいます。

 というのも為末さん自身元々100mの選手だったのですが、純粋に「素質」がモノをいう部分の多い100mでは身体能力の高い海外の選手に勝てないと考え、技術的に補える部分の多い400mハードルに転向して成功を収めたということです。

 ということで、ホントに自分が望んでいるものは何か?自分がシアワセになるためにどういうモノが必要なのか?っていう、そもそも論のところから見直して、そこにたどり着くには別の方法もあるんじゃないかということで、あることを「諦める」のは失敗でもなんでもなくて、目標を達成するための「手段」を変えただけに過ぎない、ということです。

 確かに何でもすぐに投げ出すのはダメなのかも知れませんが、そういう風に、自分の究極の望みを突き詰めて考えれば、いろんな可能性を考えることが、目標に達する最上の手段なのかも知れませんね。