先日『資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ』を紹介しましたが、こちらの続編みたいだったので、手に取ってみました。
冒頭で歴史を学ぶ意義を語られていますが、その重要な要素として「戦争を阻止すること」を挙げられます。
冷戦終結以降、戦争が少なくなる方向に向かうのかな…と思いきや、あちこちで紛争が続き、昨今では帝国主義的な傾向が復活してきているなど、第三次世界大戦の勃発の可能性すらささやかれるようになっています。
そんな中で歴史を学ぶことの意義は大きいということなのですが、それはただ単に通史を見ておくということではなく、「アナロジカル(分析的)」に学ぶことが必要だということです。
というのもすべての国において、その国で広められる「歴史」というのは、時の為政者が、そういう風に認識して欲しいというカタチで彩られるもので、強く為政者の主観を反映しているワケですが、その辺りは日本の歴史観と中国や韓国の歴史観の違いを見れば明らかでしょう…
だからこそ色んな歴史の見方があるんだということを認識した上で、この事象をこういう風に見るんだということを理解することが重要だとおっしゃいます。
その上で過去から戦争の誘因となってきた民族問題と宗教問題についてのアナロジカルな通史の見方を紹介されます。
中国の肥大化、イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領就任や北朝鮮の凶行など、そういう観点で見れば相当キナ臭いよなぁ…と感じますよね…そういうことが大事なようです。