歴史の愉しみ方/磯田道史

 

 

 Eテレなどでよくお見掛けする歴史学者の磯田センセイが紹介される「歴史の愉しみ方」なんだそうです。

 

 趣味で歴史を追いかける人って少なくないと思うのですが、磯田センセイの場合、古文書の解読・研究が主なので、シロウトにはハードルが高いイメージがあるのですが、磯田センセイ自身は中学生の時に初めてお祖母様から先祖伝来の古文書を渡されて読んだのが最初だということで、勉強そっちのけで読みふけったとおっしゃっているので、やってできないことではないようです。

 

 以前紹介した『日本史の内幕』同様、ご自身が古文書を探して、見つけて、読み解いてということで、お仕事ではあるのですが、趣味のずっと先の延長線上なので、個人的に歴史学者になることもかつてアタマをかすめた時期があったということもあって、磯田先生の取り組みぶりがあまり楽しそうで、読んでいて羨ましくて身悶えしそうなくらいです。

 

 そんな中で、忍者、合戦、幕末史なんかが取り上げられているのですが、この本が出版されたのが2012年ということもあり、一時期震災についての古文書を集中的に読み解かれた時期もあったということで、歴史から震災~復興にいたる教訓を抽出しようとされた様子も紹介されています。

 

 通史とは違って、ナマの人間がしたためたモノだということもあり、血の通った歴史を感じることができるのが大きな醍醐味であるようで、ヘタな歴史小説よりもよっぽどワクワクさせられるんじゃないかという気がさせられます。