ポピュリズムとは何か/水島治郎

 

 

 先日紹介したポピュリズムに関する本が、著者自身の橋下徹への私怨のうっぷん晴らしに付き合わされるというハズレ本だったのですが、気を取り直して…

 BrExitだったり、アメリカのトランプ大統領就任だったり、フランスでの国民戦線への躍進など、ここ数年西欧においてポピュリズムが蔓延しています。

 ただポピュリズムが必ずしも“悪”というワケではなく、市民の意図を反映するという民主主義の本義からして、本質的にそういう要素を含んでいるワケなんですが、ただそれを「悪用」しようとする向きもあります。

 なぜこういった「暴走」的な現象になるかというと、イギリスのBrEixtの場合に「置き去りにされた(Left Behind)」と言われる人たちが、移民の流入による失業率の向上と言った現象に反対して…という具合で、トランプ大統領の当選も同様の力学が働いたがゆえだそうです。

 そういう内在する「毒」をどのように乗り越えていくのかで、民主主義の真価が問われている…と問いかけられてこの本を締めくくられていますが、如何にもう一度成熟を取り戻すかが大きな課題になりそうです。