戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで (講談社現代新書)
- 作者: 倉本一宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: 新書
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歴史本が続きます。
この本は「切り口」よりも、あまり触れられてこなかったマニアックな内容を紹介するという感じになるのでしょうか…
「戦争の」となっていますが、そこに止まらず5~10世紀の東アジア諸国との外交史みたいな内容です。
白村江の戦いとかを歴史で学んだ記憶はあるのですが、ちょっと唐突感があって、大化の改新も定着していない時期に、何でそこまで遠征して行く必要があったんだろう…って不思議だったのですが、その時期は朝鮮半島の各国(高句麗、新羅、百済)と濃密なつながりがあったようです。
それがある程度国内の権力争いに影響を及ぼしていた側面があったようで、乙巳の変(蘇我入鹿が中大兄皇子一派に暗殺されたクーデター)でも、多少そういった外交関係の影響があったようです。
オモシロかったのが聖徳太子の外交への関与について取り上げたところなんですが、かつて日本の息のかかった政権があった任那の再興のための朝鮮半島への派兵にかなり積極的だったようで、平和主義者的なイメージについて、どこがやねん!?みたいなツッコミを入れられています。
マニアックで、読者を顧みない内容じゃないかと危惧しつつ手に取ったのですが、白村江の戦跡を辿るといったかなり細かい内容をカバーしながらも、古代のダイナミズムをありありと感じさせる内容で、かなりワクワクしながら読み進めました!