『人類5000年史』の第二弾で、今回は紀元元年~1000年までが対象となります。
"Ⅰ"の最初の方は人類の起源など歴史以前のことが結構長かったのですが、"Ⅱ"ではいきなりキリスト教の起源から始まります。
この他仏教やイスラム教の起源も出てきますし、中国なんかだと三国志の世界も出てきて、あまり世界史に造詣の無いワタクシでもかなり馴染みのあるコトバが出てきて、読みやすくなってきたりします。
出口さんの他の世界史関連の著書でも再三強調されていますが、この本でも触れられているのが、中国とイスラム世界の先進性です。
どうしても我々は現代が台頭して以降の世界を通して歴史を見てしまうので、中国やイスラム世界の先進性の印象が薄くなってしまいがちなのですが、出口さんは様々な文献でのファクトを重ね合わせた上で、できる限りプレーンにその影響力を見通そうとしているところが印象的です。
また出口さんのこれまでの世界史本と共通して、同時代性を重視した構成が、地域間の横のつながりが明確になって、意外な程のグローバル感に驚かされます。
続刊もこういった歴史観を期待しています。