昨日に引き続き「知の怪人」佐藤優さんの本ですが、こちらは世界史におけるパンデミックの事例を踏まえて、コロナ後の世界を見通すという内容になっています。
これまでの歴史上でも人類はパンデミックの被害を受けてきたということで、特にペストは何度も世界的な被害を及ぼしてきたということです。
そういうパンデミックは歴史的な転換点となっていることが多いようで、ペストの感染拡大がきっかけとなり、東ローマ帝国やビザンチン帝国が衰退し滅亡するに至り、東洋でも唐がペストをキッカケに衰退したということです。
また近代にはスペイン風邪によるパンデミックがキッカケで大英帝国が衰退していったことから、今回のコロナ禍においてもアメリカの衰退につながるのではないかと指摘されていて、実際に中国が比較的早期に感染を収束させたのに対し、アメリカはトランプ大統領の対応のマズさで、なかなか感染の終息が見られず、歴史的に見るとのちに”終わりの始まり”となってしまうのではないかと思われます。
また、こういうパンデミックはこれまでの歴史を見てもあらゆるレベルでの”分断”をもたらすようで、国家間の格差、国内における貧富の格差、地域間の格差など、既に日本でも見られている「分断」を指摘されています。
なかなか安心できる状況にはなりませんが、こういう「歴史」を顧みることによって、今後の脅威に備えていく必要をヒシヒシと感じます。