0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円/奥村聡

 

 

 以前、三戸政和さんの『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 (講談社+α新書)』を紹介しましたが、この本はそちらの好評を受けてか“二匹目のドジョウ”狙いの類書ということになるのでしょうか!?

 三戸さんが投資ファンドとして事業承継を支援される立場であるのに対し、奥村さんは企業側に立って事業承継を支援されているということで、その立場の違いが取り扱う内容の差異になっており、同じようなテーマを扱っていながら、必ずしも単なる“二匹目のドジョウ”にはなっていません。

 三戸さんが「300万円」とおっしゃっていたのも結構衝撃的でしたが、もっと!ということで「0円」になったのかも知れませんが、三戸さんがロジカルに話を進めるのに対して、奥村さんは事業承継に悩む中小企業のオヤジさんの顔が見えるような話をされていて、ぶっちゃけ会社を生かしてくれるのなら0円でも…という最終ライン的なハナ
シもあるようです。

 長らく中小企業の廃業率の改善が重要な課題となってきたワケですが、三戸さんや奥村さんのこういう啓蒙はかなりのインパクトがあるはずで、事業承継の機会を増やすだけにとどまらず、大企業での勤務経験のあるサラリーマンがワンマン社長、ドンブリ勘定の中小企業を承継するこおとで、企業経営の健全化を図ることも期待でき、是非二匹目に止まらず、三匹目、四匹目のドジョウが出てくるくらいの活性化を期待したいところです。