以前、三戸政和さんの『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 会計編』を紹介した時に、シリーズ化して具体的な事例の紹介なんかもしてくれたらいいのに…と述べましたが、まさにそんな本が別のところから出てきました！
著者の高橋さんはそういったＭ＆Ａのマッチングサイト「トランビ」を運営されていて、そういった事業承継の支援も手掛けられているということで、三戸さんが提唱されていた事業承継のプラットフォームを事業として実現されているということです。
従来、小さな会社のＭ＆Ａは仲介をする立場であるコンサルタントにとって、手間ばかり多くて実入りが少ないということで尻込みをされることが多くて受け皿自体が少なく、売り手も買い手もニーズはあっても市場が成り立たなくて、優良企業や希少な技術を持つ企業などであっても後継者問題で廃業せざるを得ないことが多いということで、そういった状況に直面していた高橋さんがマッチング事業の立ち上げを決意されたということです。
「トランビ」のようなマッチングのプラットフォームが実現したことで、潜在的だったニーズが顕在化し、Ｍ＆Ａの市場が形成されつつあるということで、ひいては日本の産業、社会全体の活性化へとつながると言えそうです。
この本は「トランビ」で手掛けた具体的なＭ＆Ａの案件の実例も紹介されており、より明確にミニＭ＆Ａのイメージが持ちやすくなっています。
この本で高橋さんは事業承継を考える上で重要なポイントについて、事業を継承しようとするにあたって自分ならこの企業を買収してどういう事業展開をしようかと「妄想」することを挙げておられて、いろいろと思いを巡らすことで、自分がその企業を買収するのかどうかの判断にもつながるでしょうし、承継してからの経営への意欲向上にもつながるということです。
類似の書籍の紹介で再三言っておりますが、こういう取り組みがどんどん広がって、経済の活性化のみならず、高齢者の長く活躍できて社会の活性化にもつながることを願ってやみません。
