会社を替えても、あなたは変わらない/海老根智仁

 

 

 中小企業診断士として企業のコンサルティングを行いながら、ご自身も会社経営に携わられている方が紹介する「事業計画」の作り方についての本です。

 

 融資を受けようとする際に事業計画書を作られる経営者の方は少なからずおられると思うのですが、実際に事業計画書を有機的に活用して事業のオペレーションに役立てられている経営者の方って、あんまり多くないんじゃないかということです。

 

 そういう事業計画書って、経営のベースになる「幹」の部分と、具体的なオペレーションにかかわる「枝葉」の部分がごっちゃになってしまっていることが多いんじゃないかと指摘されています。

 

 あくまでも、経営者自身が事業にかける「想い」から派生した「自分ドメイン」をベースにして、そこからSWOT分析を行って、具体的なオペレーションを決めていくという「事業計画」の立て方を端的に紹介されています。

 

 また、「事業計画」を作りっ放しにするんじゃなくて、事業環境が変わった状況を引き合いにして、「事業計画」を見直すプロセスの実例を紹介されています。

 

 この本が特徴的なのは、個人の「事業計画」を勧められているところで、会社の事業計画と自分の「想い」をベースに、どのような成長の方向性を目指すかということで、企業の「事業計画」に該当するようなビジョンを描いてみるのも有意義かも知れないな、と思わされます。

 

 ついつい流れに任せて自分の動きを決めてしまいがちですが、計画の立案や状況の変化に伴う見直しを行うことは、確実な成長につながりやすいのかも知れませんね。