戦国武将に学ぶ究極のマネジメント/二木謙一

 

戦国武将に学ぶ究極のマネジメント (中公新書ラクレ)

戦国武将に学ぶ究極のマネジメント (中公新書ラクレ)

 

 

 大河ドラマ時代考証も手掛けられている日本中世史の専門家の方が現代のマネジメントにも活かせる戦国武将のマネジメント術を語られた本です。

 ご自身も一時期女子高の校長・理事長をされていたこともあって、マネジメントにも通じられていたということで、単なる大学教授の知識の垂れ流しとは一線を画した内容となっています。

 信長・秀吉・家康の事例を中心に戦国武将の“マネジメント”を語られているのですが、まず印象に残ったのが、戦国武将にはここまで多くのことが求められるのか…ということで、戦うことはモチロンなのですが、家臣たちの人事面や領内の都市計画、関連のある人々へのプロモーションなど、ありとあらゆることに通じていなければならないようで、ちょっと気が遠くなる想いがします。

 特に先々を見通した上での決断が必要だということで、その失敗例としての北条氏政の失敗例を紹介されています。

 信長・秀吉・家康の紹介では、信長の先進性、秀吉の実行力、家康の安定性といった感じで語られますが、そういったバトンの受け渡しが先刻時代の終焉をもたらし、そこから250年以上に及ぶ安定の時代をもたらしたかと思うと、歴史のアヤを感じざるを得ません。