ここ2、3年イスラム教がどういうものかを知りたくて、色んな本を読んでいるのですが、コロナ禍による図書館閉館が明けて自宅近くの図書館で書棚を見ているとこんな本を見つけたので手に取ってみました。
この本は、出版当時現代イスラム研究センターの理事長をされていた方が書かれた本で、とある大手新聞社関連の出版社から出版される予定でほぼほぼ完成していたにも関わらず、アルジェリアの武装グループが日本のエンジニアリング会社である日揮が参加していたプラントを襲撃して多くの日本人社員が殺戮された事件を受けて、お蔵入りになりかけたモノを紆余曲折があって出版にこぎ着けたものだということです。
どうしても日本では、欧米の影響が強いこともあって、イスラム社会と言うと欧米がこう見せたいというイメージを押し付けられることが多く、実際にはホンの一部でしかない過激派のことを必要以上に大きく見せたイメージが流布されがちです。
ただ、イスラム社会では、多くのムスリムがかなり敬虔な信徒であることから、慎み深い生活を送っていることが多いようで、世界の多くの人が日本人に抱くイメージと照らし合わせて、自分たちに近いと思ってもらえるという側面があるようで、しかもアラーの教えを受けることなく、そういった姿勢でいることが”尊敬”につながっているようです。
さらには、古くは日露戦争においてロシアを破って、ロシアから抑圧を受けていたトルコからの支持があったなど、イスラム世界においてにっくき西欧諸国と堂々と渡り合っていた姿を羨望の目で見ていたとか、アフガニスタンで農業指導などを行いながら人道支援を行い現地で尊敬されていたにも関わらず、昨年現地で銃撃されて亡くなった中村哲医師の事績など、現地で様々な貢献をする日本人への感謝の念を抱いている方が少なからずおられるということもあるようです。
またアニメやドラマなどの文化面や、プロ化以降急速に強化を進めたサッカーにも親しみを抱く人が多いということで、イスラム社会の人々はかなり日本に対して思い入れを抱いてくれているようです。
昨年イランとアメリカが一触即発の危機にあった時に、アメリカが安倍首相に仲介を依頼したことがありましたが、バリバリの新米国家の首脳の話なんかイランは聞くのかな!?と不思議でしたが、そういう背景があったからなんですね!?
でもこういった立ち位置を外交的に活かしているとは言えないのが日本の現状で、非常にモッタイナイ気がします。
せめてもっとイスラムの文化をプレーンに日本で紹介してくれたらいいのに…