いわゆる”オレオレ詐欺”ですが、ニュースなんかで事件の顛末を聞いていると何であんな単純なことで、しかも散々手口をバラされているにも関わらず次々とダマされる人が続出するのかがフシギだったりしたので、そういうところを知りたくてこういう本を手に取ってみました。
冒頭で、タイポロジーというか、読者自身がココを突かれるとアブナイ!というところを診断するチャートがあり、ダマされやすい手口が分かります。
多分、詐欺グループの親玉クラスはこういう心理的な傾向を踏まえてシナリオを汲んでいると思われ、それぞれのタイプに合わせて、泣きを入れたり、脅してみたり、慌てさせてみたりという手段を巧みに使い分けているものと思われます。
この本はこういう詐欺対策に通じた心理学の専門家が書かれているのですが、あくまでもダマす方はプロで、シロウトをダマそうと思ったら造作ないんだということをキモに銘じておくべきだとクドイくらいに強調されています。
特に日本人はダマされてしまうことに罪悪感を感じて、無かったことにしてしまいたいという人が多いようで、そういう心理的なスキを突こうとするケースが多いようで、仮におカネをだまし取られてしまったとしても、そのあと詐欺を捕まえてもらうような動きを取って欲しいということをおっしゃっています。
しかも、様々な救済措置もあるので、決して泣き寝入りしないことが詐欺を蔓延させないためには重要なようです。