50歳からのむなしさの心理学/榎本博明

 

 

 これまでこのブログでは『「やりたい仕事」病』や『「自分はこんなもんじゃない」の心理』など若い人たち自己実現についての本を紹介してきた榎本さんなのですが、最近では『読書する子は○○がすごい』など子供の教育に関する本も手掛けられており、この本では50歳代の心理を取り上げられます。

 

 ワタクシ自身、ジャストこの本のターゲットとなる世代ではあるのですが、この本では割と会社で活躍されてきた方がメインターゲットとなっているようで、会社人としてはダメダメなワタクシはここまで「むなしさ」を感じているワケではないものの、こういう心理というのは理解できるところです。

 

 特にこれまで順調にキャリアを進めてきた人ほど、なんとなくその先に期待ができないことが見えてくることが多いこの年代は、それまでのガンバりや、周囲でそれ以上の昇進をしている人なんかを見てしまうと、むなしくなってしまうのはイタイほどわかる気がします。

 

 ただこういう「むなしさ」というのはバカにできないモノだということで、うつなどの精神的な疾患のみならず、重大な病気の罹患にもつながりかねないということで、なんとか立て直しを図ることが重要だということです。

 

 こういう「むなしさ」が深くなってしまう人は、どっちかというと滅私奉公的な姿勢だった人に多いということで、「むなしさ」を克服するためには会社ありきの姿勢ではなくて、主体的に行動するような姿勢を取り戻すことが需要なようです。

 

 そういった中で勧められているのが、多忙な会社生活の中で後回しにしていた趣味のことだったり、リタイア後の仕事の準備など、気になっていたことに少しずつ取り組んでみることで、自律的に前向きな姿勢を取り戻すことができそうだということです。

 

 リタイア後まで会社に支配されるなんて、それこそ「むなし」いんで、できるだけ早くその呪縛から逃れたいものです。