おとなの青春旅行/下川裕治・室橋裕和編著

 

 

 10数年後に訪れるリタイアを控えて、リタイア後に時間たできたらどんな旅行をしようかということでボチボチそういう本を読んでいるのですが、この本はリタイア後の海外へのひとり旅のススメです。

 

 リタイア後の海外旅行というと夫婦揃ってツアーに参加するというのがありがちなカタチだと思うのですが、ツアーというのは参加者のニーズの最大公約数的なモノを提供しようという志向があるからか、あれこれ詰め込んだ結果、年配の人たちが参加するにはなかなかハードなモノとなっていることが多いということと、あまりマニアックな要望には応えてくれないモノが多いということで、それだったら自分のペースや好みに合った旅行を組み立てたらどうですか!?というのがこの本の趣旨のようです。

 

 今までフリーの旅行をしたことが無くて、コトバに自信のない人にとってはなかなかハードルが高いと感じるかもしれませんが、昨今はネットでかなりの範囲を前もって準備できることもありますし、スマホなんかを持っていけば旅先でもあれこれ調べられるので、ワタクシがフリーの旅行をしていた頃と比べるとかなりハードルは下がっているようです。

 

 でも、この本で紹介している旅先がなかなかにマニアックで、チベットの鉄道旅や旧ソ連諸国やバルト三国など、フリーの海外旅行のある程度初心者をターゲットにしているように思える割には、ムチャ振りとも思える旅先が多いですが、多少フリー旅行の経験があるワタクシにとっては、青蔵鉄道で訪れるチベットサマルカンドブルーで知られるウズベキスタンにはハゲシくソソられます。

 

 あとは、ジャズや美食など趣味を追う旅など、シニア層が食いつきそうなモデルプランが目白押しで、この本を読んでその気になる人も多いかも知れません。

 

 また実用的なノウハウとして、同じ都市に3日程度滞在するようにして、あまりカラダに負荷をかけないようにしようとか、持病のある人の常備薬の持参について、旅先でアブナいクスリだと思われないように英文の証明書みたいなものを持参しようといったシニア向けにかなり実用的なアドバイスも満載で、是非ともリタイアの折りにはこの本を参考に、ひとり旅とは行かないまでも、同好の士と共にフリーの海外旅行に出かけることをおススメいたします!