かなり久々の”起業本”です。
ひと頃は、このブログでもかなり多くの起業関連の本を紹介してきて、”起業”のタグも用意しているのですが、かなりソッチ方面の熱も冷めてしまっていたのですが、老後資金が2000万円不足するとか、会社主催のリタイア後の資金計画みたいなセミナーで見通しを立てたりなんかすると、リタイアして何もせずにいることは難しそうなんで、改めて何か考えないとなぁ…と思わざるを得なくて、こういう本を手に取った次第です。
”50歳から”ということで、おそらくターゲットはリタイア後を視野に入れないといけない我々のような年代の人が、リタイア直前に慌てなくていいようにということなんだろうと思いますが、だからと言って慌てて起業して退職と言うのではなくて、ある程度の準備期間も含めてということのようです。
この本の著者の中野さんは税理士として中小企業を支援されているようですが、税理士と言われるよりは”起業コンサルタント”としてのご自身をメインと考えておられるようで、シニア世代の起業支援も多く手掛けておられるということです。
そんな中で、リタイア後を見据えてということなんで、仕切り直しというのがかなり難しい年代ということで、若年層の起業と比べてもリスクマネジメントをかなり厳しく考えるべきであることを再三強調されています。
ミョーに風呂敷を広げ過ぎないことはモチロン、できる限りコストを抑制しようとか、周到に事業計画を立ててリスクを可能な限り可視化しておこうといったようなことを勧められています。
そんな中でもコストは抑えようと言いながらも、例えば社員を雇う必要があるのであれば、労務関係の管理はプロである社労士に頼るべきだとか、大きな観点に立ってのリスクマネジメントの方策を示されているところが信頼できる所だと思います。
リタイア後、自分自身の生きがいということもありますが、自身が積み上げてきたノウハウの伝承というタスクを重視しての起業を強調されているところなど、シニア向けの起業本としては、色んな意味で示唆に富んだ本だと思いますので、同年代の方には是非とも一読してもらいたいものです。