エースを出せ!/日垣隆

 

 

 最寄りの図書館で日垣さんの未読本を見つけたので手に取ってみました。

 

 この本が出版されたのが2002年で約20年前のモノとなりますが、日垣さんが様々な雑誌メディアに寄稿された記事をまとめられたもので、政治、犯罪、科学、世相と様々なジャンルにわたる中で、報道、テレビなどメディアに関する記事が冒頭から300ぺーじょ超にわたる大著の中で半分弱を占めているのが印象的です。

 

 しかも冒頭で「朝日」と題した章があって、かつ「天声人語」にフォーカスした記事になっています。

 

 「天声人語」と言えば、かつては経験豊かな記者が最前線から引いた段階で書かれていたようで、何人か伝説的な書き手が知られていますが、この頃は「窓際」と思しき書き手がロクに取材も経ずに書かれているらしいということに、執念の取材で知られる日垣さんが呆れつつ怒りをブチ撒けます。

 

 しかも、そういう記者がどうでもいい自身の日常について書かれているに至っては、誰がそんなモノを求めているんだ!?ということで、朝日の思い上がりというか驕りというか、的外れなエリート意識がプンプンしています。

 

 それだけではなく、メディアの取材不足というのはこの頃から顕著だったようで、安倍政権以降御用メディアとなり下がった多くの大手メディアを見て、脳梗塞で倒れて以降、ご自身のメルマガ等以外ではあまり活動の様子が聞こえてこない日垣さんがどう感じるのかを知りたいところで、是非とも容赦のないゲキを飛ばしてもらいたいところです。