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自殺予防/高橋祥友

 

自殺予防 (岩波新書)

自殺予防 (岩波新書)

 

 

 精神科医の方が書かれた自殺に関する本です。

 まず冒頭で強調されているのは、自殺と言うのは「強制された死」である、ということで、本人が弱かったからとかということではなく、様々な状況が複合的に作用して、最終的に本人に取って、死を選ぶ以外の選択肢が無くなった結果だということです。

 だから自殺を予防するには、それ以外の選択肢を周囲が確保してあげるということが重要になるということです。

 統計によると、自殺をした人の9割はうつ病などの精神疾患を罹患していたということですが、そのうち専門医にかかっていた人はわずか1割程度に過ぎないということです。

 とかく日本では精神論が説かれることが多く、精神的な病を罹患するということについて、“恥”だと思う傾向が強く、専門医にかかることを敬遠する傾向が強く、結果として最悪の結果を招くことになってしまいかねない、と言うところがあるようです。

 だからこそ、周囲の人や、体調不良を訴えて訪れた他の診療科の医師などが、精神疾患の専門医の診療を受けるよう促すようにすることや、精神科医にかかることの心理的なハードルを下げ、その重要性について啓蒙することの重要性がクローズアップされるということです。

 「うつは心の風邪」とよく言われますが、風邪は万病の元であり、くれぐれも甘く見ないようにしたいものです。