精神科医の和田秀樹さんの”リタイア本”なのですが、和田さんは精神科医でも、高齢者を専門とされていたんだということで、まさに専門ドストライクの著書だということのようです。
”リタイア本”というと、中には老後の不安を煽るようなモノも一部には見受けられるのですが、先日紹介した大江英樹さんの『「定年後」の”お金の不安”をなくす』が老後のおカネの不安を払しょくする意図で書かれていたのと同様に、この本は、おカネと並んで老後の不安要素の2大巨頭のうちの一つである健康面の不安を払しょくするべく執筆されたということのようです。
特にいわゆる「認知症」への恐怖というのはかなり大きな不安要素だとは思うのですが、75歳になると多かれ少なかれほとんどの人が認知症の要素を抱えていて、むしろ細かなことを気にしなくなるというプラスの要素もあるということで、ある程度ポジティブに受け入れていい部分もあるということです。
また高血圧やガンについても、あまり神経質になることで却って精神疾患を招きかねないということで、ある程度おおらかに受け止めることが却ってQoLを向上させることにつながるんじゃないか、ということを提唱されています。
高齢になって医者にかかると、酒やタバコや食事内容など、とかく制限をされがちですが、そのことによる精神的な負荷はバカにできないようで、むしろ精神疾患へのケアを主眼に置く方が、充実した老後の人生を送る上では重要なんじゃないか、というのがなかなか斬新で、目からウロコの提唱だと思いませんか!?