2012年に出版された『置かれた場所で咲きなさい』が大きな話題をまき、ノートルダム清心女子大学で長らくカトリックの教えに基づいた教育に携わられて理事長まで務められ、2016年に亡くなられた渡辺和子さんが、おそらく学生さんをメインターゲットにされたと思われる著書です。
ノートルダム清心女子大学がカトリックの教えの元に設立された大学だということで、自助努力を強調するプロテスタントと比較して、救いを求めることに主眼をおくようなイメージがあったのですが、かなりキビシイこともおっしゃっておられます。
ご自身も、希望されていた修行先に受け入れてもらえなかったというご経験もあるということで、それなりの苦難を受けることが、先々において自分の人生がより自由になるということに触れられているというのが、カトリックのイメージとしてはかなり意外な発見でした。
また自分の心持ちを変えることで、積極的に心の平穏を求めようとするところなどは、仏教の教えに通じるところもあり、宗教間のアプローチの差こそあれ、到達しようとするところは、似たところがあるのかな、という印象も受けました。
キリスト教の教えということでは、”知の怪人”佐藤優さんの一連の著書でプロテスタントの教えについては多少触れつつあったのですが、カトリックの教えについても学んでいきたいと思わされました。