危機の正体/佐藤優

 

 

 約一年前に出版された本ですが、”知の怪人”佐藤優さんがアフターコロナに訪れる「危機」について語られます。

 

 この本の執筆時点ではまだ安倍前首相が退任していなくて、コロナ以前にもかなり全体主義的な体質を持った政権であって、コロナ禍によってさらにその色彩が濃くなって行ったという側面もあって、その性質を官房長官として体現していた菅氏が首相となったこともあって、昨今そういう色彩がより鮮明になったように思えます。

 

 最近よく言われるようになっているのですが、そういう空気は戦前の大政翼賛体制にかなり類似している部分が多いということで、1年前時点でその性質を指摘されています。

 

 また、「プラハの春」を弾圧しようとしたソ連侵攻下における親ソ連派による監視体制への類似性にも触れられていて、そういう手法が法制上ロックダウンをできない日本のコロナ対応において、同調圧力に基づく相互監視といった共通点について指摘されていて、アフターコロナにおいてもそういった全体主義的な性格が継承されて行ってしまうことについて大きな危機感を示されています。

 

 また、大企業を中心にテレワーク導入を進めていったことを契機に、ジョブ型の雇用形態を推進していっていることもあって、新卒一括採用の形骸化が懸念されていることもあって、従来とはことなり会社が人材育成を放棄して、出来上がった人材を雇用しようとするインセンティブが強く働くということもあり、どういう意味でもかなり自律的にキャリアデザインを迫られるというキビシい競争環境を予測されています。

 

 まあ、当たり前といえば当たり前の姿なのかも知れませんが、個人的にはほぼほぼキャリアを終えようとする時期でよかったなぁ、とは思いますが、こういうキビシい社会に今から直面するムスメたちの行く末に一抹の不安を覚える次第です…