伸びる子は○○がすごい/榎本博明

 

 

 先月『読書する子は○○がすごい』を紹介しましたが、実はコチラの方が先に出版されていたようで、またやらかしたぁ!?と思っていたのですが、『~子は○○がすごい』ということで、それ程関連性の強いモノではなかったので安心しました。

 

 まあ、読書をしなくてオトナになるのもそれなりに危機的な状況ではあるのですが、この本で取り上げられている『○○』が欠けている子がそのままオトナになって社会人として会社に入って、相当コマッた状況になっている直属の上司の方々がいらっしゃると思います。

 

 というのも、この本で取り上げられているのは、「叱らない子育て」「ほめる子育て」で育てられて、甘やかされて…と言ってしまうと語弊が無くも無いのですが、子供のころにあまり困難に直面することなくオトナになってしまって、まったくガマンが効かない状態で社会人になってしまって、周囲に毒をまき散らすような状況にもなっているようです。

 

 まあ「叱らない」「ほめる」ということに一定の意義があるのは認めますが、そういう風にコドモを傷つけないように、という親の配慮が、どうしようもなく傷付きやすいコドモを作ってしまっているという逆説的な状況がかなり多くなってしまっているということで、しかもそういう子に限って、勉強などは優秀だったりするので、それをアテにして採用した会社は困ったことになってしまっているようです。

 

 ということで、この本ではある程度の逆境を耐えるチカラであるレジリエンスを身に付けさせることが、昨今の状況においてかなりのアドバンテージを得ることにつながるようですが、既に50歳代のワタクシなんかからすると、勧められている子育ての内容ってかなりフツーに思えるもので、昭和の子育てもバカにしたもんじゃないということになるんでしょうか…