LIFE SHIFT/リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 

 『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』が大きな話題となったリンダ・グラットンさんの著書で、今回は「人生の再設計」がテーマとなります。

 従来、長きに渡り人生70年と言うことでほとんどの人たちが「学び→労働→引退」という3ステージの人生を送って来られたワケですが、平均寿命が延びて100年に及ぶことが現実となることが大きな社会的変革のトリガーとなることを指摘されています。

 100年生きるとなると60歳でリタイアしてあと40年の引退生活を送ることになるワケですが、昨今健康寿命も延びて、60歳代だと肉体的にリタイアするのはモッタイないということもありますし、60歳までに40年の引退生活を送るための蓄えを確保することが難しいこと、年金などの社会的保障も、高齢化の進展によって難しくなることから、従来より長く働くことへの誘因が働きます。

 ただここ10年でも大きく労働環境が変化したように、働くためのスキルの「賞味期限」も短くなっており、従来のように最初の20年で身に付けたスキルを一生使い続けるということは難しくなり、何度かキャリアを出入りする「マルチ・ステージ」の人生を送ることを提唱されています。

 そうすることで労働寿命を延ばすとともに、パートナーとのローテーションなど、より柔軟にライフステージに対応した働き方ができるということですし、公的年金への依存も減っていくということで、是非とも真剣にこういう方向での制度改革に取組んでもらいたいものです。