NHKで『週刊こどもニュース』を担当されていた頃から込み入ったニュースを解き解して分かり易く解説することで知られる池上さんがおカネについて語られた本です。
ただ池上さんの解説って、込み入った話を解き解す分にはスゴイなと思わされるのですが、この本で扱っている内容って、大学の受験レベルで政治・経済を勉強してきた高校生なら間違いなく90%以上の内容は理解済みでしょうし、ヘタしたら公民をキッチリ勉強している中学生でも8割以上は理解できる内容となっていて、そういうある程度多くの人が知っているであろう内容であっても、割と池上さんはいつものように丁寧に解説してしまうので、一応一通り公務員試験向けに経済学を勉強したワタクシにとっては、かなりカッたるい内容でした。
正直誰をターゲットにこんな本を書いたんだろう…と不思議になったのですが、あとがきで、この本を書いた年に芸術大学の学生向けに経済の講義をされていたということで、この本を書かれた時にその時の学生のことがアタマにあったのかも知れません。
逆に言えば、中学校の公民レベルの経済の知識に不安がある人なんかだと、そもそも”お金”とは何なのかとか、銀行の機能はどうかという基本的なところから、割と取っつき易い内容となっているので、そういう振り返りのためにはいいのかもしれないな、とは思います。
ただ、池上さんの意外な弱点を見たような気もします…