池上彰の政治の学校

 

池上彰の政治の学校 (朝日新書)

池上彰の政治の学校 (朝日新書)

 

 

 池上さんによる“日本の政治入門”です。

 この本は民主党・野田政権時に出版された本なのですが、民主党政権が大コケして政治への閉塞感がハンパない頃で、何とか政治への関心をつなぎとめようということで書かれたのかな!?と思わせるような本です。

 中学校の公民の授業で習うような基本的な制度面に関する紹介から、実勢の政治のメカニズムに関する解説、諸外国との制度面・現象面でに比較など、ひとしきり日本の政治を取り巻く状況をまんべんなく紹介されていて、自民党政権になった今でも充分に“入門書”としての役割を果たす内容になっています。

 ひと頃、自民党の若手議員が相次いで不祥事を起こし“魔の2回生議員”というコトバ
が取り沙汰されましたが、実は小選挙区制というのは“風”に乗ってあまり質の良くない
議員が当選することがあって、議員を育成するのが難しいとされています。

 同じ小選挙区制をとるイギリスでは政党が当選回数の浅い議員を教育する制度が整備されているということで、日本の政治環境の遅れが顕著であることを指摘されています。

 あとは環境の役割や態度などニュースを見ていて腑に落ちなかったことが、この本を読んで理解できるところがあったなど、ある程度以上に政治に関心の強い人にも満足できる内容の本なんじゃないかと思います。