昨日に引き続きiPS細胞の山中先生の本です。
この本は山中先生が毎日新聞に執筆されていた『走り続けて』に加筆およびインタビュー、毎日新聞の論説委員が山中先生の事績の紹介を加えてまとめられたモノです。
昨日紹介した自伝的なインタビュー本と被る部分も多いのですが、やはり新聞の連載ということもあって、取り上げられているトピックにそんなに変わりはないものの、用語とかにはかなり気を遣われているようで、平易な表現が目立ちます。
ご自身が臨床医より研究医を選ばれたことについて、臨床医だと施術で自分が想定したような結果が出ないととんでもないことになりますが、実験などで想定外の結果が出るとワクワクすることを告白しておられ、やはり臨床医より研究医の方が向いていたんだとおっしゃいます。
また、自営業を経営しておられたお父様から、山中先生自身がハッタリが聞かないので経営者には向かないと指摘されて医師になることをススメられたということなのですが、今や数百人レベルの組織を率いるトップになったことにジレンマを感じられているようなのですが、研究の成果をできるだけ実用的なモノに繋げるように、ニガテだと自覚されているプロモーション活動にも積極的に取組まれているということです。
モチロン研究者としても抜きんでた能力をお持ちなんでしょうけど、責任感と言うか目の前の課題解決に向けた遂行力こそが山中先生の成功の秘訣なのかも知れません。