この本は今年の2月出版の近刊なのですが、2010年に出版された『「思考軸」をつくれ』を元に加筆修正されたモノだということで、出口さんがライフネット生命を創立された際のご経験を踏まえて、自由な思考法を紹介されています。
とかく日本企業では先例思考というか、ああいう場合の時にこうしたから…みたいな考え方をすることが多いと思うのですが、出口さんが著書の中で再三おっしゃられているように、キャッチアップ型のビジネスモデルだったら、”お手本”ありきでそういう思考でも結果が出たかもしれないのですが、最早日本の置かれているビジネス環境というのは、”お手本”が存在しないということもあるので、自分で置かれている状況を理解して、どういう風に動くのが最適なのかということを常々考えて行かなくてはならないということを強調されています。
そういった場合に、「タテ(歴史)・ヨコ(世界)の軸」という思考法を身につけておくと、会社などのごく限られた世界での先例思考に骨の髄まで浸かってしまった人にも、考えるお作法として使いやすいということです。
ただ、日本の”サラリーマン”は圧倒的にインプットが少ないということで、「人・旅・読書」でインプットを大幅に協会して行かなくてはいけないというを強調されています。
また興味深かったのは、日本軍なんかが顕著な例だということですが、日本人って計画が不調に終わった場合のことを想定するのがニガテだということを指摘されていて、コロナ禍の対応においても、そういう特徴が顕著に表れているところに言いようのない不安を感じるのはワタクシだけではないでしょう…
多くの日本人がこういう本を読んで、バランスを思考を身に付けることを期待したいところです。