45歳の教科書/藤原和博

 

 

 

 先日『35歳の教科書』の実践編である『35歳の幸福論』を紹介しましたが、こちらは10年後の45歳時のあり方を紹介されたモノです。

 

 『35歳の幸福論』ほどではありませんが、この本でも「キャリアの大三角形」というチャートというか、概念図みたいなものでキャリアのあり方を示されているのが、藤原さんの著書中では特徴的なところです。(ちなみに、さらに10年後の在り方を示された『坂の上の坂』がありますが、そこまでコンセプチュアルなものではありません…)

 

 45歳というと、ある程度の経験を経てキャリアも積んでこられていることから、ビミョーに閉塞感を感じつつも、これまで積み上げたことに拘泥されてしまうところもあって、結局凝り固まったように見られてしまうことがあるようです。

 

 そういった経験を持ちつつも、半歩でもいいから現状から踏み出すことで、意外な程世界が広がることがあるようで、そういう違うポジショニングを取ることが、必ずしもゼロからの出発を意味するワケじゃないということと、さらにはその後のキャリアにおいて大きな展開を期待できるところもあるということで、そういう勇気を持つことの意義を語られます。

 

 ただ、あまりにも元々のポジションに拘泥してしまうと、自分が半歩踏み出したつもりでも、周りの人に受け入れてもらえないところもあるので、そういう場面での”信用”を測るチャートなんかも用意されていて、どういう軌道修正を測ればよいのかということにもつながるかも知れません。

 

 特に大企業に勤務している人なんかだと、実質的には終身雇用は崩壊しているにもかかわらず、それに縋りついてしまうところもあると思うのですが、こういう動きができるんだと思えれば、いろいろと”自由”になれるのかも…と感じました。