本物の思考力/出口治明

 

本物の思考力 (小学館新書)

本物の思考力 (小学館新書)

 

 

 これまでの著書でも出口さんは、戦後日本経済を支えてきた、アメリカへのキャッチアップ型の成長モデルは最早機能しなくなっており、個々で思考力を身に付けて行かないと生き残っていけないということを再三おっしゃっていましたが、この本はその“思考力”を身に付けるための取組に特化した本です。

 これも既出の図書に書かれていましたが、モノを考える際には「数字・ファクト・ロジック」に基づいて考えるということなんですが、この本で強調されているのは「腹に落ちるまで考え抜く」クセをつけるということです。

 この本に書かれていることで一番印象的だったのは、そうやって思考力を研ぎ澄ましていって、十分なインプットをしていれば、直感的に行動しても、あまり外れたことにならなくなるということで、日本人にとって、間違うことよりもトライアル&エラーをしないことのリスクが大きいということを痛感させられる内容でした。