ほんとうの会議/帚木蓬生

 

 

 先日、ギャンブル依存症の恐ろしさを語られた『ギャンブル脳』を紹介した精神科医の帚木さんが新たな会議の在り方について提言された本です。

 

 通常、我々が会社などで会議を行う場合、目標を立てて、それに向けた計画を立てて、その後、計画通りに実行されているかどうかを確認し、上手く言っていなければ修正案をたてるといったことを実施していると思いますが、そういう従来型の会議が、古くは旧日本軍、最近では宝塚歌劇団でのパワハラ、ビッグモーターや自動車メーカーなどの不正につながったのではないかと指摘されています。

 

 というのも、ギャンブル症の回復に向けた自助グループでの対話や精神科での患者の治療に活用するオープン・ダイアローグで、討論や批判をせずかつ結論を求めることもなく想いを吐き出すことで一定の改善がみられるということに鑑みて、会社などでの会議でもこういった手法を適用してみてはどうかという提言をされています。

 

 ただ、従来型の会議のどういう部分がこの本で紹介されている事例での悪弊につながったのかという検証もほとんどなく、その結果、オープン・ダイアローグを適用した場合に、どういう部分で改善できるのかという提言もなく、さらには、自助グループや精神科での治療と会社での違いについて斟酌することもなく、果てにはオープン・ダイアローグの重要な要素だとされるネガティブ・ケイパビリティについてあまり会議とは関係性が見いだせない何かフランスでの事例をダラダラと紹介し続けるという迷走を続けてしまっていて、単なるコッチにしたらウマくいくんじゃね!?っていう想い付きレベルを本にしてしまったような印象が否めません。

 

 確かに、ワタクシ自身もそう感じるフシがあったので、実際の適用例なども含めた提言があれば興味深い本になったんじゃないかと思うと、返す返すも残念です…