なぜ学ぶのか/出口治明

 

 

 これまで樺沢紫苑さんの『極アウトプット』や鎌田實さんの『相手の身になる練習』をこのブログでも紹介してきた、小学館の中高生向けの新書シリーズ『小学館YouthBooks』ですが、今回はAPU学長の出口治明さんが学ぶ意義を語られます。

 

  本編の冒頭で出口さんは「なぜ学ぶのか」という問いに対して「人生をより面白くいきるためです」と答えられています。

 

 「はじめに」で70歳代半ばになって脳梗塞で半身不随になり、ロクに言葉も発せない状況になり、そこから車椅子生活になりながらもAPU学長としての業務に復帰したことに触れられていて、フツーなら70歳代半ばにもなってそういう状況になればリタイアして療養生活を送るだろうけれども、あくまで復帰にこだわったのはこれまでの学びから、復帰への算段をつけられて、その中で必要なことと不要なことを切り分け、どうしても必要な機能を取り戻すことにフォーカスしたからだとおっしゃいます。

 

 必ずしもいい大学や会社に行ってエラくなるためが学ぶ意義だというワケではなく、自分が置かれた状況の中で、如何にそこで選びうる選択肢を多く見えるようにするということで、必要以上に遠慮をしたりすることもなくなる可能性が高くなりますし、場合によっては生命や破滅の危機を避ける可能性も高くなるということで、学びによってよりよく生きる可能性が広がるとも言えます。

 

 かつての高度経済成長期のような時代であれば、決まりきった勉強をすることで、あまり自分なりの可能性を見極めるまでもなく一定のシアワセを享受できたのですが、昨今は、最早そういう決まりきった「コース」は存在せず、自分にとって何がシアワセなのかを見極め、そのために必要なモノを身に着けていく必要があるワケで、ある意味「武装」みたいな意味合いでの学びが必要だということをおっしゃられているように思えます。

 

 どのくらいの年代でこういう話を聞いてもらうのがいいのかは判然としませんが、進路に悩む若い世代に、是非ともこういう本を手に取ってもらいたいモノです。