なぜ世界を知るべきなのか/池上彰

 

 

 昨日の『やりたいことが見つからない君へ』、一昨日の『みんなに好かれなくていい』に引き続き、今日も10代向けの小学館YouthBooksから一冊ですが、今日は池上彰さんがコロナ禍の中で都内の中学校で行った授業の内容をまとめたモノなんだそうですが、「世界を見る」ことのススメです。

 

 昨今はバブル末期に大学時代だったワタクシの若いころと比べると、若い人たちが随分内向きになったといわれてはいたモノの、コロナ禍が落ち着くと、超円安の中でも海外旅行が人気を集めているところを見ると、まだまだ海外への志向は脈々と生き続けていることを感じて、個人的にはちょっとホッとした想いがあります。

 

 どうしても日本社会は異質な考えを受け入れない傾向が強いということもあって、割と考え方が画一化してしまう傾向が強いワケですが、いざ海外に出ていくと我々が「常識」だと考えていたことが、まったく効力を持たないことを経験した方も少なくないと思いますが、単なる内輪のルールに過ぎないということを認識しておいた方が、特に外国人相手にビジネスをするような人にとっては、身のためだというのはわかると思います。

 

 また、女性を中心に若い人が訪れることが多い韓国ですが、ひょっとしたらそんな人の中にも、韓国と日本の間の不幸な歴史があることをあまり把握せずに行ってしまって、とんだ地雷を踏むことにもなりかねないということで、そういうことを避けるためにも、キチンと知るべきことは知っておいた方が余計なトラブルを避けることにもつながることを指摘されています。

 

 ちょっと印象的ながらも、日本の若い人にキビシいなぁと思ったのが、グレタさんやマララさん、周庭さんといった海外の活動家にフォーカスされているところですが、それくらいのバイタリティを日本の若い人にも持ってもらいたいと思われているのかもしれません。

 

 若い人がこの本を読んでどう感じるのかはわかりませんが、ちょっと外に目を向けるキッカケになったらいいなぁ…とは思います。