韓国の借金経済/シンシアリー

 

 

 尹錫悦氏が韓国の大統領になられてから韓国での反日的な動きが影を潜めて、さぞシンシアリーさんもネタに困っているだろうなぁ、と思いきや、今回の本はほぼほぼ半日ネタがなく、韓国経済のネタほぼ一本で一冊を仕上げられたということで、ネタ切れの心配もないようです。(笑)

 

 つい最近韓国の一人当たりGDPが日本を越えたということで、さぞ好況なのかと思ってたのですが、その割に映画『パラサイト』で半地下の住居に住む貧困層がクローズアップされたり、失業率が高止まりしていたりと日本にいると、悪意の情報を流す反韓的な層もあって、なかなか実像がわかりにくいのですが、シンシアリーさんがその実像を解き明かされます。

 

 最近は持ち家論争などもあって、かつては高かった日本人の持ち家志向というのはかなり低下しているようにも思えますが、韓国においては未だマンションを所有することがある種のステータスでもありますし、投資物件としての関心も高いようで、かなり不動産市場は活況ではあるようなのですが、かなりムリな借金を重ねる傾向も強いということで、かつてのアメリカのサブプライムローン的な担保の裏付けの希薄な貸し付けが横行したかと思えば、急に手のひらを返したかのような貸し渋り・貸し剥しという、ひと頃どこかの国でもあったような金融機関の動きがあるということで、活況ではありながらかなり不動産市場は不安定な状況にあるようです。

 

 そんな状況で、中には物件価値が暴落して破綻する人も出てきているようで、そういった破綻の連鎖が続くと、韓国版サブプライムショックともなりかねないリスクをはらんでいるということで、なかなかに綱渡りの状況があるようです。

 

 そうなった場合、日本にどれくらいの影響があるのかが心配になるところですが、そういった空気に流されるコワさが韓国内であるようです…