朴槿恵と亡国の民/シンシアリー

 

朴槿恵と亡国の民

朴槿恵と亡国の民

 

 

 『韓国人による〇韓論』シリーズのシンシアリーさんが語る朴槿恵元大統領の就任から弾劾での解任、逮捕までを語ります。

 ただ、朴槿恵がテーマにはなっていますが、本の中で朴槿恵の半生を辿ることは韓国の近代政治史を語ることになるとおっしゃっているように、朴槿恵を通してみた韓国政治史と言った内容になっています。

 シンシアリーさんもこれまでの著書で触れられていますし、日本でもよく知られているように、代々の大統領は退任直後に訴追され、中には自死を選んだ人もいたということで、韓国の人たちの政治に対する感情の起伏の激しさに驚かされます。

 朴槿恵就任の時もそうだった記憶がありますし、文在寅大統領の就任時もそうでしたが、前大統領を石持って追い立てた挙句、新大統領を諸手を挙げて迎え入れたのはいいのですが、その後、ちょっとした失策を以ってヒステリックに糾弾し、その後追い詰めていく…そんな状況が続けば、誰も大統領にはなりたくないと思うのですが、それでも子々孫々が潤う程オイシいんでしょうかね…

 

「大転子ランニング」で53歳でもサブスリー/みやすのんき

 

「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー

「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー

 

 

 以前『走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー』で何気に科学的なアプローチのサブスリー攻略法を紹介されていたみやすさんの“続編”です。

 この本でもカラダの構造を科学的に考察して、持てるチカラをできるだけ効率的にスピードアップに繋げようとされています。

 で、「大転子ランニング」ということなんですが、「大転子」と言うのは、足が骨盤につながっているところの外側のゴリゴリと出っ張った部分なんですが、そこの動きを意識することによって、よりウマく体幹を使えるようにして、ラクにスピードアップしようというもので、できるだけ1つのライン上に両足を着くようなイメージで走るということです。

 昔、デューク更家さんがそんな歩き方を提唱されていたような気がするのですが、走るのでも有効なんですね!?

 

こんなに楽しいのに走らなきゃもったいない!/高橋尚子

 

 

 シドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんによる“マラソンへの誘い”です。

 “マラソンへの誘い”ということで、主に若い女性をターゲットにしたと思われる内容なのですが、その割には、こういう筋トレをした方がいいとか、ライトな層はドン引きしてしまいそうなことが書かれててウケます。(笑)(高橋さんの感覚では筋トレも走ることとセットなのかも知れません。)

 またそれが割とシリアスなランナーにもウケるんじゃないかと思う内容だったりするので、ターゲット設定がビミョーです。

 ただ「かけっこ大好き」な高橋さんだけに、走る楽しさは行間からもあふれ出していて、走り始めたいのに一歩を踏み出せていない人なんかが読むと背中を押してもらえるのかも知れません。

 あ、ある程度経験のあるランナーの方もバカにしないで読んでみて下さい!意外と役に立ちますよ!

 

国際法で読み解く世界史の真実/倉山満

 

国際法で読み解く世界史の真実 (PHP新書)

国際法で読み解く世界史の真実 (PHP新書)

 

 

 最近、できるだけ世界史に関する知識を厚くしたいということで、いろんな本を読んでいるのですが、そこでこの本が国際法と絡めてということで、大学時代に国際法を専攻していたワタクシとしては、これだ!ということで飛びついたのですが…

 この本の著者の方は、別に国際法の専門家というワケではないようで、著者来歴の肩書では“憲政史研究家”ということなのですが、政党「日本のこころ」の関係者ということで、そういうスジの方のようで、結局は大日本帝国礼賛がこの本の主旨のようです。
 
 日清戦争から太平洋戦争までの時期を中心に様々な事象を“国際法”を手掛かりに紐解
こうというモノなのですが、どうしても“大日本帝国バンザイ!”の方向に論理を向けようという意図があるため、歴史の解釈にせよ国際法の解釈にせよ、かなりムリがある感じです。

 うがった見方をすれば、国際法なんて詳らかに知っている人はほとんどいないと同時に多くの日本人はかなり国際法に対してポジティブな感じを持っているので、大日本帝国礼賛のネタとしては、いいモノを考えたなぁ、というのが印象です。

 デタラメとまでは言わないまでも、個々の事象における国際法の解釈についてはかなり乱暴なモノが多いので、国際法の解釈がこんなモンだと思われてしまうのは困るのですが、国際法を取り巻く力学というか、約束を守らせるチカラがあることが前提となるというのは、偽らざるところで、これについて国際法の法理という意味でツボをついたものと言えると思いますし、司馬遼太郎も『明治という国家』などで触れられていますし、この本でもいじらしいまでに国際法を遵守しようとする態度は、誇るべきものであることはアタマの片隅に置いておいてもらいたいモノです。

 

海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で売れる英語/大澤裕

 

海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語

海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語

 

 

 先日、中小企業が海外展開を行う際のヒントを書かれた『中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初に読む本』を紹介した大澤さんが、海外展開で使える英語を紹介した本です。

 この本、単純に日本で行っているビジネスプロセスを英語に置き換えるという趣旨ではなく、特に製造業など下請けでの事業が中心で自律的な営業活動になれていない中小企業の“弱点”を考慮した内容となっています。

 例えば、やたらと自社製品の著書のアピールをしたがったとしても、それが相手に必要のないことであれば、全く刺さらないということで、相手のどういう“課題”を解決するのか、といったアプローチにした方が刺さりやすいといったことです。

 英語ということなんですが、海外への展開を予定している企業だけではなくて、自社のビジネスを見直すことにも活用できる本なんではないかと思います。

 

年収90万円で東京ハッピーライフ/大原扁理

 

年収90万円で東京ハッピーライフ

年収90万円で東京ハッピーライフ

 

 

 昨日紹介した『20代で隠居 週休5日の快適生活』の続編と言うか、バリエーションと言うか…

 タイトルだけ見ると「隠居」にフォーカスが当たるのか「年収90万円で東京」にフォーカスが当たるのかということなのかもしれませんが、それは売る側と読む側の問題で、著者である大原さんにとってはあんまり関係がないようで、前著と変わらずマイペースです。

 ということで大きな意味では、書かれていることは“同じ”なのですが、ビミョーにト
ピックも変わっていて飽きずに読めます。

 どっちかというとコチラの方が哲学的と言うか、コンセプト色が強い気がします。(あくまでも“若干”ですが…)

 「年収90万円で東京」というのも仙人を彷彿とさせるキャラ故に成せるワザなのかもしれませんが、物欲や虚栄心というモノを手放すことができればかなり“自由”な生活が手に入るのは間違いないようで、それがシアワセなのかどうかは個々人の価値観によるんでしょうけど、個人的には、特に“虚栄心”が“自由”に勝るとは思えないのですが、我が
身を振り返ってみると、傍目には“自由”を捨てて“虚栄心”を取ってるやん!?と言われるようなことをしているかも知れないです…

 軽いトーンで書かれてはいますが、壮絶なイジメやブラックバイトの被害にも触れられていて、そういう現代社会の歪みを体験されたが故の選択という側面もあるのかも知れませんが、何かと考えさせられるところの多い本でした。

 

20代で隠居/大原扁理

 

20代で隠居 週休5日の快適生活

20代で隠居 週休5日の快適生活

 

 

 20代で週2日しか働かずに生活をしている方がミニマムなライフスタイルを紹介した本です。

 学校を卒業した後、連絡を取るのが煩わしくなって携帯を解約したところ、その生活の心地よさに目覚め、一時は引きこもりになったということですが、さらに一時は息つく間もなく働いた時期もあったということなのですが、それもバカバカしくなり、自分が心地よい生活のバランスを求めた結果、週2日だけ重度の身体障碍者の介護をして生活するということになったそうです。

 この方は人付き合いも最低限のところが心地よいようなので、社交的な人だとなかなかキビシイとは思うのですが、こういう風にミニマムな生活をすることで、心身ともに健康的になるようで、ミョーにイラついたりすることも少ないようで、これはこれでアリかなぁと思うのですが、家庭持ちのワタクシとしては選べない選択肢だったりしますけどね…