ゼロ円ビジネスの罠/門倉貴史

ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)

ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)

 「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」の出版以降、タダ
でサービスや商品を提供するビジネスモデルが話題になってお
り、その関連の書籍もよく見かけるようになりました。
 ただ、あまりにも「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
の登場がセンセーショナルだったせいか、その他の本を読んで
も、何か2番煎じみたいな印象がぬぐえないものが多いのが正直
なところです。

 この本も、日本における「ゼロ円ビジネス」の事例等を取り
上げられていて、そのあたりは参考になるのですが、ビジネス
モデル的には、「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」や
価格を無料(フリー)にしても儲けが出るしくみの作り方 (アスカビジネス)
で取り扱われているテーマから大きく外れるものではありません。

 詐欺的な商法を取り上げられていて、それが差別化の工夫?
と捕らえられなくもないのですが、却って論点がぼやけている
というか、的外れな印象を受けてしまいます。
 あと、経済全体に与えるインパクトみたいな章立てをされて
いますが、ミクロ的な現象の紹介に終始していて、結局何が
いいたいのか、よくわかりません。

 「フリー」で言う「アトム経済」を「資源集約型経済」と
言い換えていますが、本質的にあまり変わるところはなくて、
このテーマ自体には非常に興味があるのですが、もう新たな
トピックって出てきにくいんですかね…