「監督を決める」仕事/祖母井秀隆

 ジェフユナイテッドGMをされていたときに、イビチャ・オシム氏を監督に招聘
したことで有名な祖母井さんの著書です。

 一応、GM論的な内容を意図されていたんだと思いますし、それなりにそういう内容
も含まれているんですが、祖母井さんの人生観って言うか、人との関わり方と言う
ものが色濃く反映されているので、上司論と言うか、マネジメント論みたいな趣も
感じられます。

 結構、意外というか、それで成り立つのか?と思ったのが、祖母井さんは自身が
連れてきた監督を自分から解任しないということです。
 それだけ慎重に人選をしているということもあると思いますし、監督としての
能力だけではなく、人間として自分が信頼できる人間を連れてきているから、と
言う自負があるからだと言われています。

 ドイツやフランスなどヨーロッパをまたにかけたグローバルな人というイメージ
もありますが、個々の人間関係を重視する、ある意味、ドメスティックな人なんだ
なあ、と思いました。