プレミアリーグの戦術と戦略/アレックス・モンゴメリー

 長年、イングランドフットボール(敢えて、サッカーではなく、こう表現します…)を
取材されてきた記者の方が、香川や吉田麻也の移籍でプレミアリーグに注目するようになった
日本人に向けて、イングランドフットボールの変遷を紹介した本です。

 その上で、イングランドにおける日本人選手の可能性にも言及されています。

 よく言われているように、イングランドフットボールと言えば、4−4−2のフォーメー
ションを取って、キック&ラッシュの戦術を取るというのが、古き良き伝統で、スピードと
パワーのぶつかり合い、と言うイメージが強かったと思うのですが、近年、スペインの影響
もあって、テクニカルな要素を重視するようになっている、といいます。

 そのため、以前に比べると、日本人選手がフィットする可能性が高くなっている、という
か、日本人選手のような小柄で俊敏でテクニカルで勤勉な選手を求めるチームが増えていって
いる、といいます。

 そういう意味では、著者は、香川は絶好のタイミングでマンUに加入した、と考えている
ようです。

 逆に、そういうアタッカーに退治するDFと言う意味で、「読み」に長けた吉田麻也
ようなDFへの需要も高まるだろう、と言われています。

 大きなイングランドフットボールの歴史の流れと、ようやく訪れた日本人プレイヤーと
の邂逅を描かれていて、個人的には、おー、そういう日が来たか…と感慨深い思いがしました。