- 作者: 今柊二
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/01/17
- メディア: 新書
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ファミリーレストランを中心として、日本の「家族での外食」史を
描いた本です。
「家族で外食」の黎明期は、どうやらやっぱり「デパート最上階」
の食堂ということになるみたいです。
ワタクシもギリギリそれを体験している世代なんで、デパートの
食堂の「お子様ランチ」の話を懐かしく読みました。
1970年代以降、ロイヤルホストやすかいらーくを始めとする、所謂
ファミリーレストランが出現してくるわけですが、元々はアメリカの
コーヒーショップを模したものだったのが興味深いところです。
それを家族でこれる場所にするように、如何に子供が来たくなるよ
うな仕掛けを用いるか、ということが初期の課題だったようです。
そのために、安価で均一のサービスをできるようにするセントラル
キッチン方式の開発や、人件費の削減かつサービス低下を防ぐための
仕組みなど、その意義を説明されると、なるほどなあ、と納得させら
れます。
また、ドリンクバーの普及以降、食べに行く場所、としてのファミ
レスよりも、「居る」ためのファミレスの要素が強くなったり、とい
った変遷も指摘されています。
また、近年では、ファミレスの意義を広く捉えると、回転寿司も
同じようなアプローチで集客を図っているようですし、バーミヤンや
サイゼリヤのような専門店的なファミレスも増えてきているようで、
日本の食文化の多様化を繁栄しているようです。
あまりに身近なんで、こういう分析的な見方をしたことが無かった
のですが、そういう風に見てみると非常に興味深いなあ、と思わされ
ますね。