- 作者: 小宮 良之
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/05/09
- メディア: 新書
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カズがジェノアに行った頃から、李忠成がサウザンプトンに行った頃
までの、海外組の「光と影」を描いた本です。
近年では、ドイツ・ブンデスリーガーにおいて多くの日本人フットボ
ーラーが活躍するようになっていますが、そこに至るまで、幾多の日本人
フットボーラーの苦い想いがあったかと思うと…
その「苦い想い」について、結構深い分析をされています。
特に、未だにスペインにおいて、「成功」した日本人フットボーラーが
いないことについて、深く掘り下げられています。
今まで、スペインには、城、西澤、大久保、中村俊輔、家長といった面
々がプレーしていますが、大きな成功を収めたと言えるプレーヤーは現れ
ていません。
その原因について、小宮さんは、特にスペイン人は、他の国に比べて、
相手とのコミュニケーションの深さを重視するということです。
スペインでプレーした日本人フットボーラーは、あまり社交的なキャラ
じゃない人が多かったのが、「成功」しなかった原因ではないか、と分析
されています。
それだけにとどまらず、やっぱり異なる環境でプレーをするということは、
言葉一つをとってみても、簡単なことではありません。
そこを乗り越えて、自分の力を発揮する…ついつい、我々は、活躍して
欲しいがあまり、目に見える成果の出ないフットボーラーを非難してしまい
がちですが、この本を読むと、そう簡単に非難できなくなってしまいます…