「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣/西真理子

 

「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣 (Asuka business & language book)

「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣 (Asuka business & language book)

 

 

 元々外資系企業で秘書をされていて、秘書の育成を手掛けられている方の著書です。

 ワタクシ自身もたった1冊とはいえ、英語本の著者の端くれですし、何百冊も英語学習本を読んできておりますが、まだここに来て新しいトピックが溢れるような英語学習本に出合うとは、正直驚きです。

 まずは章立てなんですが、スピーキングやリスニングなど、どの英語学習本でも含まれる章立てだけではなく、最近は含まれる本も多くなって来ている学習ツールについての内容や継続へのモチベーションに関する内容を含んだ章、そして、これが実は一番重要なんじゃないかと最近個人的に思っているにも関わらず、まず英語学習本に含まれることのない、文化理解に関する章が含まれている点で、非常に価値が高い本だと言えます。

 で、「話せる人」と「挫折する人」の対比と言うことで、お気楽な英語学習本の著者に分類されかねないワタクシとしては耳の痛い部分も無きにしも非ずですが、そういうお気楽本に飛びつく人は、まず挫折してしまう、ということで、中学校までの英語の文法をベースに音読や暗誦を、あまり手を広げずに淡々と反復していくことの重要性を説かれます。

 リスニングだとスルメを噛むようにとか、TOEICよりも英検を重視する考え方だとか、あまり英語学習本で紹介されていないようなトピックが満載で、あれこれ英語学習本に手を出してきた人には、これで腰を据えようか、と覚悟を決めさせるような迫力を感じます。

 あと、ある程度のベースを固めた後に、飛躍的に会話力を伸ばすというヒミツのトレーニングを紹介されている章があるので、それもこの本の重要な価値と言えます。