インバウンドの衝撃/牧野知弘

 

 

 不動産コンサルタントの方が語る「インバウンド」現象に関する本です。

 この本が書かれたのはまだ「爆買い」の全盛期で、その頃からすると昨今は随分落ち着いたのですが、それでも訪日外国人は着実に増加しています。

 そんな中での「インバウンド」の現象面と、如何にして訪日外国人を誘致するかということについての内容で構成されています。

 現象面としては、この本が出版された2015年以降、メディアの報道で散々紹介されてきたので、現時点では“今更”な内容が多いことや否めないのですが、訪日外国人の誘致に関するトピックでは、不動産コンサルタントとして、ホテルなどのインバウンド関連の物件を手掛けた経験などから提案される内容にはうならされます。

 特に観光における「動線」の設定を強調されていて、東京‐大阪間のいわゆる「黄金ルート」上だったら苦労は少ないのですが、そうでなければ、自分の地元だけでなく、複数の訪問先との連携で「動線」をデザインすることで誘致の確率が高まるということです。