世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法/戸塚隆将

 

世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法
 

 

 以前『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』を紹介した戸塚さんがグローバルなビジネスの場で使える英語を身に付けるための手法を紹介する本です。

 タイトルに「シンプル」とありますが、英語自体のシンプルさということもありますが、ダイレクトに自分が必要とする英語でのコミュニケーションのスキルを最短距離で身に付けようという意図もあるのではないかと感じます。

 それは戸塚さん自身がハーバードビジネススクールに留学した際に、逡巡する間もなく津波のような質量で襲い掛かる課題に対応するために身に付けたモノを応用でもあると思うのですが、日本人は構文がどうのとか、語彙の量がどうのとか、知識レベルにこだわってしまうことがおおいのですが、余程切羽詰まった状況に追い込まれた人を除けば、じゃあ自分が英語を使って何をするのかという目的論的なモノを具体的に持っている人が少ないように思えるんだけど、実はそれこそが英語を習得しようとする上で一番大事だということを強調されています。

 また「英語を習得する」というマクロの部分だけではなくて、何かを伝えようとするときにそのキモの部分をちゃんと意識して表現を考えることで飛躍的にコミュニケーション能力が上がるということも指摘されています。

 ということで、テクニカルな習得法も理に適った良質な内容なのですが、英語を習得する目的意識の持ち方と言う、英語本では触れられることが少ないのですが実は一番重要だということを指摘された秀逸な1冊です。