平成史/佐藤優、片山杜秀

 

平成史

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 「知の怪人」佐藤優さんが思想史を専門とする片山さんと、今年の5月で終焉を迎える平成の世を振り返ります。

 昨年から、平成の世が終焉を迎えるのを受けて、平成を振り返る本がチラホラ出ているのですが、「知の怪人」佐藤さんが手掛けられるということで期待も膨らみます。

 佐藤さんの対談本というと、ついつい相手が佐藤さんの圧倒的な知性に飲み込まれることが多いのですが、この本では佐藤さんのメインのフィールドでないこともあって、ガップリと組みあった読み応えのある内容になっています。

 佐藤さんが手掛けるというと、どちらかというとカタメのトピックになるのかなと思いきや、結構世相史的な色彩が強いのが意外でしたが、それでも佐藤さんの博識ぶりは遺憾なく発揮されているところがオドロキです。

 特に世相を反映する映画やテレビドラマに関する指摘がいちいち核心をついているところに驚かされます。

 さらにメインの守備範囲の政治・外交史のところでは、これまでの著書で未出のエピソードも飛び出して臨場感ハンパありません。

 あとがきで片山さんが平成の総括をされていて、平成と大正の類似性について指摘されているのですが、明治や昭和というイケイケドンドンの時期を受けて、大きな災害があったり、頽廃的な空気感があったりと、言われてみるとミョーにナットクさせられます。

 このあとがきを読んで、また内容を読んでみたくなります。