1970年代文化論/日高勝之

 

 

 近所の図書館の新刊でこんなタイトルの本を見つけたので、サブカル関連の本かな!?と思って手に取ったら、1970年代の世相を取り上げた社会学の本でした。

 

 まあ、それはワタクシの勝手な思い込みなんでそれはそれとして、1970年代の文化について、1960年代を「政治の季節」として1980年代のバブルに向かうにあたっての捉えどころのない時代と風呂敷を広げた上で、ホームドラマジェンダー論の浮上、「司馬史観」といったとりとめのない個別のテーマを執筆陣が好き勝手に、さもその事象が1970年代を象徴するかのような論調でそれぞれのテーマについて語らせてトッ散らかさせた挙句、最後につじつまを合わせるかのように編者が拾って歩いて体裁を整えるという体たらくで、結局最初に広げた風呂敷は、ただ単になんでもありで「捉えどころのない時代」としてかったのか!?前後の時代とのつながりはどうなんだ、ということは放置したままのように見えます。

 

 個人的には社会学には他の学問のスキマを縫っているという、あまりいいイメージが無かったのですが、ここのところ社会学の大家である橋爪先生が”知の怪人”佐藤優さんを向こうに回して知性を全開にした『世界史の分岐点』や、やや回りクド過ぎて600ページ以上の大著になってしまったのはご愛敬ながら、日本の在り方がよく理解できる小熊英二さんの『日本社会のしくみ』などの好著に遭遇して、かなり社会学の見方が好転していたのですが、この本では社会の重箱のスミをあげつらって、さもそれが社会を代表するかのような針小棒大な捉え方をする社会学、特にフィールドスタディをメインとする社会学者の悪癖が凝縮されたかのように思え、やっぱり社会学ってそういうモン!?とかなり残念な気がした次第でした。