勝利のルーティーン/西野朗

 

 

 就任直後ながら、ロシアW杯でサッカー日本代表をベスト16に導いた西野監督の著書です。

 ロシアW杯からしばらく後に本屋に平積みしてあったので、ロシアW杯の著書かと思ったのですが、2014年の出版で名古屋グランパスの監督に就任が決まった直後の著書でした…

 西野監督というとガンバ大阪で見せた攻撃的なスタイルが印象的ですが、そのスタイルにこだわるようになったキッカケが“マイアミの奇跡”として知られるアトランタ五輪でブラジルを破ったチームを率いた際に、その守備的なスタイルが酷評されたことだということです。

 元々現役時代は攻撃的MFで攻撃的なスタイルへの嗜好が強かったにも関わらず、当時の戦力で強豪と渡り合うためにやむを得ずとった戦術を批判されたということで、自身の嗜好に沿った攻撃的なスタイルを徹底するようになったということのようです。

 かなり勝負師的な側面のある西野監督ですが、それでも消極的な選手交代を後悔した経験を吐露されていて、具体例を挙げて紹介されています。

 また西野采配の真骨頂とも言えるクラブワールドカップにおけるマンチェスターユナイテッド戦にも言及されていて、実際に観戦した記憶をアリアリと思い起こして興奮させられました。

 協会のお偉方に祭り上げられるのではなく、いずれまたあの攻撃的なサッカーを見ることができることを切に願っております。