コンビニ外国人/芹澤健介

 

コンビニ外国人 (新潮新書)

コンビニ外国人 (新潮新書)

 

 

 2018年11月にロクな審議も経ずに入管法改正案が可決されて物議をかもしましたが、それはそれとして外国人留学生の日本での状況を紹介した本です。

 ひと頃、語学研修や技能研修性を名目に来日した留学生が過重労働を強いられた挙句、疾走する問題が取りざたされましたが、昨今の人手不足を受けて、状況はより常態化かつ深刻化しているようです。

 最近コンビニの店員さんが外国人であることが多く見られるようになりましたが、日本人がコンビニでの勤務を嫌がる傾向が強く、コンビニに取って今や外国人留学生は不可欠の存在となっているということです。

 ただ最近ベトナムなどで顕著なように、高額な手数料を取った挙句、日本での過重な労働を強いるブローカーなどの存在もあり、来日する外国人の人権確保の上での施策は喫緊の課題でもあります。

 現在、シンガポールを始めとして優秀な外国人を移民や留学生として積極的に迎えようとしている国は多く、また日本の人口減少に歯止めがかからない状況を見ると、今後積極的に移民を受け入れていく必要があり、入管法改正の政府のやり口のマズさは否めませんが、ミョーな排他的感情は脇に置いておいて、どういうカタチがいいのかということを国民的に議論すべき時が来ているのかも知れません。