がん外科医の本音/中山祐次郎

 

がん外科医の本音 (SB新書)

がん外科医の本音 (SB新書)

 

 

 以前『医者の本音 (SB新書)』を紹介した中山センセイが、専門である“ガン”にフォーカスして“ホンネ”を語られた本です。

 “ホンネ”なんていうとワタクシのようなゲス野郎は、バクロ本!?みいたいに色めきだってしまいますが『医者の本音』同様、かなりマジメな方のようで、如何にしてがん治療のありのままの姿を患者さんにわかってもらえるかということにココロを砕かれているかが伺える丁寧な語り口が印象的です。

 それだけにがん患者を食い物にしようとするアヤシげな商売人などに対するスタンスはキビシくて、それ以外のところの柔らかな語り口とのコントラストにオドロキます。

 治療のスタンスとしては、いわゆる“標準治療”がベストだとお考えのようで、それも今やかなりの進化を遂げていて、治療の成果の指標の一つである5年生存率もかなり長くなっているということです。

 そのため、あまり病院によって対応の差はないとおっしゃってはおられますが、それでもセカンドオピニオンをもらうことの意義を意外なまでに強調されていて、多少のおカネがかかろうとももらうべきだということと、セカンドオピニオンをもらうことに不快感を示す医師とは早めに手を切った方がいいとおっしゃることに、ちょっとウケました!(笑)

 かなり死を現実として受け止めざるを得ない病気だけに、いろいろと不安もあって、あれこれ確かめたくなりますが、この本が、ワタクシが今まで読んだ、ガン関連の本の中で最もプレーンなないようですので、この本を読んで基本的な考え方を身に付けた上で、どうしてもまだ気になることがあれば、あれこれしてみることを強くおススメします。