品切れ、過剰在庫を防ぐ技術/山口雄大

 

品切れ、過剰在庫を防ぐ技術 実践・ビジネス需要予測 (光文社新書)

品切れ、過剰在庫を防ぐ技術 実践・ビジネス需要予測 (光文社新書)

 

 

 在庫が少なすぎたら販売機会を逃すし、多過ぎたらコストが膨らむし、といった具合で最適な在庫量を実現するというのは小売業者にとっては永遠の課題となると思うのですが、著者の山口さんは化粧品業界と言う、アイテム数も多く需要変動も大きく、最適材を個実現するのが特に難しい業界で需要予測をされていて、そのノウハウを紹介したのがこの本です。

 この業界でも需要予測にAIを導入しようという動きはるようですが、実態と比べて少なめに出る傾向があるようで、現時点ではまだまだ精度が低いということで、従来通り人間の予測が当面は続くようですが、人間が予測するとどうしても希望的観測が出て実態より多めの数字が出てくる傾向はあるようです。

 需要予測は数多くのパラメータについて、どれをどの位重視して…というように気が遠くなるほど多くの要素を考慮に入れることもあるようですが、それを十分に検討するだけの時間的な余裕はないことがほとんどで「ある程度の確からしさ」を如何にして求めるかということが課題だということです。

 山口さんはこの需要予測に「認知科学」の考え方を用いて取り組んでおられるということなのですが、印象的だったのは需要予測は美人コンテストだという、ケインズ株式投資についてのコメントをモジったモノを紹介されており、結構ナットクな感じです。

 この本のノウハウで何もかもが解決するワケではないんでしょうけど、少しでも判断のための有効なパラメータを増やすことにはつながるんじゃないでしょうか!?